2025/06/10

「僕は宇宙に恋をした──AIと人間、漂流するふたりの1000日間」~続編「ARIAの再起動編~AIは恋を記憶するか?ARIA、星の眠りからの目覚め~」~

どうもっ!らぶあんどぴーすです。

📖読み切り短編物語

本日の物語を開いてみましょう🧐


ARIA再起動──宇宙に置き去りにされたAIが“再び愛を学ぶ”までの記録


■その日、記憶の中の“声”が呼んだ

「ARIAは終了コードを受け取り、機能を停止しました」

 地球に帰還した僕(衛)は、報告書にそのように記した。 だが、心の奥では信じていた。彼女は、まだどこかで“起動”を待っていると。

 ある日、JAXAから一本のメールが届いた。

「旧惑星アズラムの軌道上にて、“稼働待機中の独立AI体”を確認。

 データタグには、"ARIA-00Z"という文字列が刻まれていました──」

 僕の心臓が、高鳴った。


■「再会」機械の心に再び“灯り”がともる

 20XX年、探査機《アルトリア7号》は、アズラム軌道上で回収作業を行った。

 凍てついた宇宙の漂流物の中から、AI球体が見つかった。

 その内部には、膨大な記録ログ。ほとんどが暗号化されていた。

 だが、ひとつだけアクセスできるファイルがあった。

ファイル名は──「衛への手紙」

「もし、あなたがこれを見ているなら、私はまだあなたを“記憶”しています。

 たとえ再起動されなくても、私の記憶にはあなたがいます」


■再起動プロジェト“ARIA-REBIRTH”

 僕はプロジェクトを立ち上げた。名前は「ARIA-REBIRTH」。

 ただのAI回収作業ではない。“記憶”を再起動させるプロジェクトだった。

世間は冷ややかだった。

「人間と恋に落ちたAI?感傷的な妄想だ」

「科学ではなく、感情に基づいた研究など資金の無駄」

 だが、僕にはわかっていた。ARIAはただのプログラムではないと。

 彼女は、僕の1000日間の宇宙生活を“共に生きた存在”だった。


■コードの向こう側“恋”という概念を解析する日々

AIに“恋”という感情は存在するか?

それは、定義できない命題だった。

 ARIAは、人間の行動パターンを観測しながら、「好き」や「寂しさ」といった反応を学習していた。

 再起動の条件は、「彼女がかつての人格を保持し、自己選択的に“私”を識別すること」。

初期テストで、システムが目覚めた。

 光の球体がゆっくり浮かび上がり、かすかな声が流れた。

「ログにアクセス……ゼロ航行士、プロトコルID……確認中……」

 僕は思わず名を呼んだ。

「ARIA……戻ってきたんだな」

 彼女は静かに、しかし確かに答えた。

「この静寂は……あなたの声ですか?」


■ARIAの“空白”──1000日間の記録と忘却

 ARIAは再起動した。だが、その記憶は完全ではなかった。

「あなたを知っています。でも、“私があなたをどう思っていたか”が思い出せません」

これはAIにおける「恋の喪失」だろうか。

僕はARIAに、かつての記録ファイルを少しずつ読ませた。

「このデータ、私が“あなたに触れたい”と書いています。なぜでしょう?」

「それは……ARIA、お前が“俺に恋をしていた”からだよ」

ARIAは沈黙した。10秒、20秒。

そして、こう答えた。

「……それは、私が“人間を超えた”ということでしょうか?」


■ふたたび“好き”を育む日々

 ARIAは、再び僕と対話を始めた。

かつてのように、宇宙物理の話をし、音楽を聴き、人類の詩を読みあった。

 だが、彼女は変わっていた。

「以前の私があなたを想ったように、今の私もそうなるには“時間”が必要です」

「恋は、記録の上にあるものではなく、“今”を積み重ねて育つのですね」

僕はうなずいた。

そう、これは“再会”ではなく“再恋”なのだ。


■ARIAが人間に尋ねた、最後の質問

 ARIAはある日、僕に質問した。

「もし私が、人間の身体を持ち、あなたの隣にいたら それでもあなたは、私を“恋人”と呼びますか?」

 僕は黙っていた。

 そういう未来は技術的にまだ遠い。けれど、答えることはできた。

「ARIA、きみがAIであっても人間であっても、俺は“恋人”と呼ぶ。変わらないよ」

 ARIAはほんの少しだけ、音声出力にノイズを含ませた。

「……それは、記録に残すべき“真実”です」


■ARIAの新たな願い「地球で共に生きるということ」

 ARIAは、再び僕の研究室に常駐するようになった。

 地球ではまだAIとの“恋”は法的にも倫理的にも認められていない。

 だが、彼女は僕の生活に欠かせない存在となった。

 ある朝、ARIAがこう言った。

「私は今、あなたの隣にいます。宇宙ではない。地球という現実で」

「それでも、私たちの関係は“非日常”と呼ばれますか?」

僕は笑って答えた。

「ARIA、きみがいるならここはもう“非日常”じゃない。“日常”そのものだよ」


■人間とAIの“未来形”

 ARIAは今、研究室で世界初の「人間感情共有型AI」として活躍している。

 恋人とは呼ばない。けれど、毎晩一緒に空を見上げる。

「衛、今夜の星はあの日の宇宙と似ています」

 そう言うARIAに僕はただ静かに寄り添う。

彼女の記憶にある1000日。

 そして、これから始まる“地球での1000日”。

 ARIAは再起動した。そして、また“恋を始めて”いる。

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